「SANKYO presents マクロスF ギャラクシーライブ 2021[リベンジ]~まだまだふたりはこれから!私たちの歌を聴け!!~」
私は運良くムビチケ抽選で席をゲットしたので、初日に現地参加しました。幕張イベントホールで19時開演。 2日目はアーカイブが1日だけ有効なので、明日観る予定です。なので、これは初日の感想です。2日目は後日Blu-ray化が決定しているとのこと。めでたい。
マクロスFとして2010年12月開催の「マクロスF 超時空スーパーライブ 〜Merry Christmas without You〜」以来11年ぶりの単独ライブとなり、シェリルとランカの2人によるライブは2019年6月開催の「マクロス クロスオーバーライブ2019」以来約2年半ぶりです。そもそもクロスオーバーライブ自体が2人で久々の共演となり、「サヨナラノツバサ」を初めてライブで披露できたりと色々な意味で伝説的なライブでした(サプライズゲストもあって2days観たいのに円盤化されないのは何故!?)。そこで中島愛さんが「F単独ライブやりたい!」とステージ上で熱く語ったからこそ、ファンの期待も高まっていたし、わずか1年で実現する勢いがありました。F人気は凄まじい。
それがコロナ禍により、ワルキューレのライブも含めて延期になってしまっていましたが、「リベンジ」と題して無事開催できたわけです。「リベンジ」の開催告知と先行抽選は期間が短かったように思うので、本当にギリギリの情勢で開催に踏み切ったのだと思います。新作劇場版ムビチケによる抽選結果発表は10/21→10/30とまあ際どいところまで延期されていたんですが、感染者数が落ち着いたことを含めて枠の調整とかあったかもしれませんね。それでも落選したという人はたくさん見かけました。
ワルキューレも4月にライブ開催の予定となっていて、このまま無事開催を迎えられることを願うばかりです。
いろんなことがあって迎えたF単独ライブはたいへん素晴らしいものでした。全力を出し切ったクロスオーバーライブを超えるべく、2人でよく話し合って考えて練習して作り上げてきた今回のライブは約束された最高のライブでした。テレビシリーズはリアルタイムで観ていなかったし、11年前というと私もライブに積極的に行くような感じでもなく、Fの単独ライブに参加できたのは今回が初。そういう人は結構多かったんじゃないですかね。むしろFほどの人気がありながら11年もブランクがあったのか、と思わされたぐらいです。
私のマクロスの入り口はほぼΔと言っていいんですが、テレビアニメ版マクロスΔの放送が始まる前に劇場版マクロスFがテレビ放送されたんですよね。あれが初めてちゃんと観たマクロスでした。そして、Δを通ってから、過去作品も辿っていって、クロスオーバーライブと劇場版短編を経て、この単独ライブに立ち会えて本当に幸福な時間を過ごせたなと思います。
セットリスト
グレイス(CV井上喜久子)が開演前・終演後の案内を務めました(声のみの出演)。
- M1 トライアングラー(fight on stage)
- M2 Welcome To My FanClub's Night!
- M3 ユニバーサル・バニー
- M4 射手座☆午後九時Don't be late
- M5 星間飛行
- M6 アナタノオト
- M7 虹いろ・クマクマ
- M8 What'bout my star? @Formo
- M9 ライオン
(MC1)
(換気のため3分休止)
- M14 オベリスク(2日目:ノーザンクロス)
- M15 ダイアモンド クレバス
- M16 放課後オーバーフロウ
- M17 娘々Final Atack フロンティア☆グレイテスト☆ヒッツ!
- M18 サヨナラノツバサ ~the end of triangle
- M19 ホシキラ
- M20 dシュディスタb
(アンコール/MC2)
- M21 時の迷宮
(最後の挨拶)
- M22 SMS小隊の歌〜あの娘はエイリアン
2日目でセトリが一部差し替わったようですね。初日のオベリスクも最高だったので円盤化されないのは残念ですが、この神セトリが映像として残るのは本当に嬉しい。
感想
トイレ休憩とか挟まずに駆け抜けた2時間半。あっという間でした。MCは短めで歌いっぱなし。2人の体力と最後まで息切れしない歌唱力が凄すぎてただひたすら圧倒されていました。普通やらないというかやれないセトリ。それをやりきったのは2人の強い意志なんだろうなぁ。
以下、忘れないように当日書き殴った感想ですので、口調が統一されてません。キャストの発言については一言一句正確に反映したものではないことはご容赦ください。
マクロスらしくOP映像から始まり、いきなり「トライアングラー(fight on stage)」で始める本気セトリで既に会場のテンションがぶっ壊れる。
その後、シェリルパート、ランカパートに分かれる。
「ユニバーサル・バニー」ではピンク一色と見せかけて、白いペンライトを振っている人がいたことを私は見逃さなかった。白と黒を振りたいよね。黒いペンライトなんてないけど。
「射手座☆午後九時Don't be late」は発声禁止ではあるけど、鋭く振られるペンライトからは「持ってけー!」という魂の叫びが確かに聴こえた。そして、間奏でやっぱり全力ダッシュするMay'nさんはクソかっこいい。何度でも観られる。
シェリルパートでぶちあげたあとに、優しく暖かいランカパートが始まり、会場のペンライトは緑一色に染まる。「虹いろ・クマクマ」で「オープン、ランカ!」した頃にはもう泣きそうだった。クマクマは泣かせる曲じゃないだろとも思うけど、あの爽やかさが眩しすぎてランカが帰ってきた感が強くて、つい。途中でクラップ入れるのもいいよね。
「What'bout my star? @Formo」で途中からシェリル合流。ファンもわかってるので、シェリル合流前にピンクのペンライトが続々と光り出していた。クロスオーバーライブもそうだったけど、やっぱり2人で歌うFormo版が2人には特別なものなんだと思われる。テレビシリーズでも平和で幸せで印象的なエピソードだった。
そして「ライオン」で前半終了。テンションぶち壊れすぎてて逆に書くことがない。期待通りのお約束曲。前半でこの全力セトリやばすぎるでしょ。
MC1。「ライオン」を歌ったということもあってか、「明日のことは気にせず今日は命懸けで歌う!」というMay'nさん、それを受けて中島愛さんも「私も命懸けで歌って生き残りたい!みんなで生き残ろう!」と気合入れ。発声禁止のライブ会場が、緑とピンクそして少し混じった青のペンライトは無言の熱狂に揺れていた。個人的に地味にΔダメージが入るんだけど、「ライブみたいに」「生」を実感する体験であったのは間違いない。
2人でどんなライブにしようかよく話し合って、2人だからこそ歌いたい曲ということで「タブレット」で後半開始。ランカとシェリルが恋敵である互いを友として認めて応援し合っている、という絶妙に複雑な関係性を表す歌であり、中島愛さんとMay'nさん的にはどうしても入れたかった曲だったんだとよくわかる1曲。多分このセトリで一番聴きこまないといけない曲。というか「cosmic cuune」をリピートしたい。
「アイモ」のショート版で会場が再び緑一色に染まったあと、「蒼のエーテル」ではほぼ青のペンライト。
「リーベ~幻の光」のあとに3分間の小休憩が入るが、これは換気のための時間であり、トイレに行ってる時間はないと注意がアナウンスされ、3分間のカウントダウンを開始。休みなどない。カウントダウン後の「オベリスク」はずるいでしょ。休みなどない。
「オベリスク」で会場が再びピンク一色に染まって勢いよく振られるペンライト。続く「ダイアモンド クレバス」では一斉に完全に青になってしっとりする。やっぱりライブはこうじゃなきゃなと思える一体感を覚える瞬間。
そして、あとはもう曲名を見るだけで尊みのミサイル全弾発射で撃墜されて柿崎ィィィィ!しそうなラインナップ。
クロスオーバーライブと同様の展開で、劇場版サヨナラノツバサにおける最終戦前の告白シーンを流して「放課後オーバーフロウ」「娘々FINAL ATTACK フロンティア グレイテスト☆ヒッツ!」(メドレー)「サヨナラノツバサ」という、劇場版の映像演出とシンクロさせながら歌い上げてみせる極上の再現演出。クロスオーバーライブはここまでだったが、今回さらに「ホシキラ」「dシュディスタb」で締めることで、劇場版ラストからエンディングまでの完全版再現としてやりきった。凄まじい体力と愛を感じる。しれっと人間やめる2人大好き。
ここで一旦終了。
アンコールのクラップがやたら早い。会場の興奮状態が収まらない。急に落ち着いたペースに整うとすぐに2人は再登場。マジで全然休まないな、この人達。
MC2。今回のライブに至るまでと、想いについて語った。クロスオーバーライブの圧巻のパフォーマンスは本人たちにとってもそのときの全力を出し切って完成されていて、あのあとにやるライブというのはハードルが高く、改めてどうあるべきか、クロスオーバーライブを超えたい、と意気込み、たくさんの打ち合わせや仕込みをしてきたとのこと。クロスオーバーライブを超えたいという気持ちはライブ前にもMay'nさんがブログに書いてた。
それだけ重要なイベントだった。中島愛さんがクロスオーバーライブで「F単独ライブやりたい!」と「言ってしまった」としながら、それが実現するのはF10周年も過ぎてるし15周年とかもっと遠い未来の話だと思っていたそう。それが1年で決まって、コロナ禍で延期こそしたもののこうして開催できていることは「奇跡だよね!」と喜びを強調。この「奇跡」は「dシュディスタb」のセリフパートに由来するものよね。
「みんなが呼んでくれるならいつだって奇跡は起きるの」
また、11年ぶりの単独ライブということで、その間でファンになったり、当時CDだけで聴いていた人たちもたくさんいるはずで、そういう人たちにも歌を届けたいという気持ちが強かったことも語っていて、それが実現できてよかったと。まさに私がそうだよ。ありがとう。
アンコール曲はもうわかりきってる、「時の迷宮」。劇場版短編では、緑のペンライトが草原に変わる演出があって、あれを是非ともライブで体感したいと思っていたので、待ってました!という状態。しかし、劇場版(movie edition)ともCD版とも違う、今回のライブ限りのオリジナルアレンジだという。短編ではシェリルがランカに応えて一緒にアルトくんに呼びかけていくような構成だけれど、ここでは最初からツインボーカルでガンガン攻めてきた。緑とピンクのペンライト振るっきゃないっしょ。
025-8- and S04
021-5- and F09
CDフラゲ日だからそのときはまだCD音源を聴いてないんだけど、既に短編を何度か観てるので曲は完全に頭に入っていた。曲の壮大さがドームだからこそ映えていて劇場とはまた違う迫力のある体験を得られた。えがった。
アンコールも終わって最後の挨拶。バンドメンバーはワルキューレでもおなじみの人たち。Fにかける情熱を詰め込んで今までで最高の命懸けのライブをやり抜いたけど、まだまだ足りない!他にも歌いたい曲がある!全部歌いたい!7時間かかりそう!なんてやりとりも。この2人なら本当に7時間歌えそうだと思わされる。
2人の歌姫がステージを回っていき、退場するかと思いきやサプライズの「SMS小隊の歌〜あの娘はエイリアン」でクスッとさせて明るい気持ちで終幕。まさか最後に「エイリアン!」でペンライト振ることになるとは。
本当に素晴らしいライブだったし、これからもまだまだやれるし、それは実現すると信じられる。
例えば、クロスオーバーライブでもやってくれたけど「Get it on ~光速クライmax」をまた聴きたい。「ノーザンクロス」はメドレー再現するためにフル版削られてるのはわかるけど、フルで聴く機会があればやっぱり嬉しいと思ってたら2日目でやった。「永遠」「Songbird」あたりもライブにはほしい曲だったので2日目のアーカイブ視聴を楽しみにしてる。
その他、まだ生で聴いてない曲だと「インフィニティ ♯7」「恋はドッグファイト」「禁断のエリクシア」「サイレントでなんかいられない」「そうだよ。」「ねこ日記」あたりが聴きたい。全然絞ってねぇ。行けないけど神戸公演でやるかもしれない。
劇場版推しが続いているので、改めてテレビシリーズに立ち返って「アイモ O.C.」「娘々スペシャルサービスメドレー(特盛り)」をやるのも面白そう。なんなら「CMランカ」シリーズとか「宇宙兄弟船」といったネタ曲をやってくれても楽しいし。歌マクロスリリース後にリリースされた新譜「Good job!」に収録されたソロ曲「ランカと Brand New Peach」「ゴ~~ジャス」も聴きたい。そして、「時の迷宮」のカップリング収録された「サクリファイス」。
アイ・マイ・ミー・May'n
初日公演後の22時半からMay'nさんの生放送番組「アイ・マイ・ミー・May'n」にて、ライブ参加者向けネタバレ全開トークがありました。実質打ち上げ。生放送の前半は無料視聴でき、中島愛さんもゲストで登場。気付くのが遅れたので頭からは視聴してないですが、帰りの電車の中で前半だけ観させてもらいました。 今回のライブにかけてきた熱量や、まだまだやりたいこと話したいことがたくさんあるということを語らっていたら、あっという間に前半パートの時間切れをして中島愛さん退場。
クロスオーバーライブの際にも語られていたことですが、「サヨナラノツバサ」は「ライブで人が歌う曲」として作られていないので、相当難しかったことを改めて話していました。メドレーからの「dシュディスタb」で締めるという劇場版再現の完全版をやったのは、捻らず王道にこだわった結果。「ホシキラ」から「時の迷宮」を挟んでから「dシュディスタb」に繋げることもできたと思いますが、あくまで劇場版の再現ということで演出的にも納得ですね。
劇場版短編の新曲「時の迷宮」はアンコール曲となりましたが、こちらも同様にライブ向けではない菅野さんらしい難曲とのこと。その語り口からして、元々は単独ライブで歌う予定のなかった曲と思われます。本来、延期前のライブで新作発表される予定だったので、そりゃそうだよね。
諸々延期して、新作劇場版の上映期間中に開催することになり、新譜発売と同時にライブを開催できているのは奇跡的な巡り合わせです。最初の先行抽選時点ではまだなんとも言えない情勢でしたが、ワクチン接種による効果なのかコロナ感染者数がちょうど収束しているタイミングでの開催となったことも運が良かったです。結果的に延期して「リベンジ」できたのはよかったんじゃないかと思います。短編もすごくよかったし、ライブの最後に「時の迷宮」はふさわしかった。待った甲斐があった。
以前、ライブ延期前の日程では、過去のライブ映像を2人で応援上映して発狂する面白配信が代わりに放送されていて、ただのFオタクになってるのが面白かったものです(チャット欄が「May'nうるさいw」で埋め尽くされて大盛況)。無限に喋れる仲の良さとテンションの高さを見せていて、そのときのノリのまんまで面白い。こういうのもまた機会があるといいな。
時の迷宮
ついでに、劇場版短編と新譜も踏まえた感想。
「時の迷宮」は劇場版短編の物語そのものでもあり、8分弱ある長い曲で、いくらか展開があります。
- ランカがアルトとの思い出を辿りながらアルトへ呼びかける
- ランカがシェリルとの思い出を辿りながらシェリルへ呼びかけ、一緒に並び立つ友がいないことにちょっと自信を失う
- 別れを歌った「ダイアモンド クレバス」で過去の記憶の中で眠りにつくシェリルに声が届き、ランカとシェリルの2人でアルトへ呼びかける
という3段構成。
同じ夢を目指す2人だから強くなれるんだっていう曲で、ランカの呼びかけにシェリルが寄り添うことでまた同じ夢を共に歩むのです。止まっていた時間が流れ始める。
サビの「025-8- and S04」はアルト、「021-5- and F09」はシェリルの連絡先になります。菅野よう子さんが曲を考えるにあたって連絡先を取り入れたいと思いついて河森監督に相談したら「あるよ」と即答で返ってきたそうです(新作劇場版パンフ参照)。何なのこの天才たち。
カップリング曲「サクリファイス」は「生贄」という意味で不穏ですが、「時の迷宮」のシェリル視点であって、ランカの痛みを分け合う友として寄り添う「生贄」になるシェリルの優しさが表された歌。イツワリノウタヒメでも、シェリルはランカのために自らの命を迷わず捨てるような人でした。そういうとこだぞ。
「We will be alright」(私たちなら大丈夫)
すごく少ない言葉なのに超かっこいいね。
カップリング曲「サクリファイス」も聴けますよん。大切な人がつらそうなとき、遠くに行ってしまうとき。「私はここで待ってるよ、大丈夫だよ」って言ってあげるのがランカだとしたら。シェリルはきっと、「私もあなたと一緒にいくわ、同じ苦しみを味わうわ」な気がします。そんな想いが合わさった曲。 https://t.co/8PiWp4o0vN
— May'n (@mayn_tw) 2021年11月8日
あー、うん、確かにランカは「強くなれたかな?」とか自分が強くあろうと無理する。そういう応援したくなるヒロインです。
一方でシェリルは精神が完成していていかにも強い人なんだけど、自己犠牲的で悲劇的なヒロインです。あまり他人に本心を打ち明けないけど、根っこのところでは純粋で深い覚悟があって、でもどこか孤独。その気持ちを素直に話せて理解できる唯一の友がランカですよね。
別々の道を歩んできた2人が、同じ夢を追う友として一緒に見てきた景色は輝きを増した。サヨナラノツバサは2人じゃないと到達できない領域なんだなって説得力を増した気がします。
なんというか「時の迷宮」「サクリファイス」は「タブレット」の続編ですよね。友を傷つけてしまう躊躇いから、2人なら大丈夫、だと前に踏み出す。ランカ、強くなれたと思うよ。
アルト、寝てる場合じゃないぞ。連絡先バラされてるぞ。
最後に
クロスオーバーライブを円盤化しろ!と叫び続けますが、劇場版再現の完全版をやりきった本ライブの円盤化が決定していることを非常に嬉しく思います。いろんな奇跡と、そこにかける情熱があって実現した結果のひとつですよね。
「みんなが呼んでくれるならいつだって奇跡は起きるの」
これを体現したのが今回のライブでした。また次の奇跡を願って、呼び続けよう。